第一回目 検証を行う目的

以前にも説明した通り、今回の検証についてはスワップ収入の先取りを行うことができるかの実証実験を行うことが主たる目的ですが、他に下記の目的も兼ねています。

 

①オプションの売りと買いを組み合わせた手法の優位性確認

②上記の運用を行うにあたってのExcelによるポジション管理シートの稼働実験

 

①に関しては本来、「OTMプット売り+OTMコール買い」のほうがIVの鞘が広く、理論上優位性が高いのですが、今回に関してはスワップの先取り実験のため、「DIMコール売り+DIMプット買い+FX買い」でポジションを組みました。

 

ここでは統計上の分析内容は公開しませんが、満期時にプットとコールの行使価格の間に収まる確率が高く、ドル円の上昇と下落の確率を50:50とした場合には理論的に優位性が高いと仮定されます。

 

理由1

①満期時にかなり高い確率でコールとプットの権利行使価格の間に収まることが過去のデータから証明されている。

②短期的に急上昇した場合には利食い、急落した場合には放置。(ただし、歴史的に稀にみる悪材料が出た場合は損切り

 

月足レベルで5円以上下落することは滅多になく、ほとんどの月で収支トントンかプラスになると仮定しています。なお2022年3月からの歴史的な円安に伴う調整(2022年11月、12月)は例外としています。あれだけ急激に上げれば調整も大きなものになると予想はできましたし、現在149円付近と急落前と同様な水準にこそ居ますが、ボラは収束していくものと予想されますので大暴落は無いと見ています。

また、現在のような高値警戒感が高い時は別として、5円下がる可能性もあれば5円上がる可能性もあるわけで、今回のポジションにおいては行使価格までの距離を見るに下落側に5円、上昇側に3円となっているため確率的に利益となる可能性のほうが高いことが分かります。全勝とは行かなくても、長期的に繰り返す限りは十分優位性が高い手法と考えることができます。また、通貨オプションは225オプションと違ってIVが急上昇することは稀で証拠金も一定であるため、資金管理の難易度は低いです。FXによるヘッジも週末を除く24時間で可能ですので安全性は高いと思っています。